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Trash-b

小さかった話

東京では雪が降りました。
北の国では当たり前の雪も、こちらでは一種、珍事。雪の思い出を何かしら特徴的に持っている人も多いでしょう。そう言えば、2月ですね。僕は高校受験の頃を思い出します。何故か、高校受験。純粋に、何かに純粋に向かっていた気がします。

僕の知り合いの話をしよう。

彼は言った。「僕は自分の事を秀才だと思っていたんだ。」
誰から見ても彼は成績優秀者だったし、僕もそれを認めていた。高校受験を経て、彼はいわゆる進学校へ進んだ。
プライドが高かった。熱望して入ったその高校の事を誇りに思っていた。水戸黄門の印籠のようにそれを掲げて生きそうな勢いだった。

しかし彼は知ってしまう。
本当に頭のいい人間は、そんなプライドなど持たないことを。
本当に素晴らしい能力を持った人は、知性があって、心が広く、おもしろい人だった。
人として、魅力的だったのだ!

彼は自分の小ささを恥じた。
「学校や資格なんて関係ないんだよ。行動や、発言にその人の品格が表れるんだ。頭の良い人というのは、人間として気持ちよく生きているんだから。」
そこまで言って、彼は考え込むように言った。
「あれは……恋だった。」
それが誰のことなのかは僕には分からない。
彼に、今話したことを教えた人のことだろうか?


「せーの君は…そうだな、言わないでおくよ。友達でいたいからね。」
そう言って、彼は笑うのだった。
by trash-b | 2006-02-07 00:40 | 日常