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Trash-b

しらない町

僕は小学生時代を埼玉県で過ごしたので、「歌集さいたま」というものがウチにある。これが地域ごとにどんなタイトルでどんな歌が収められているか全く分からないが、僕のは「歌集さいたま」だった。

その中の「遠くへ行きたい」が好きだった。

作詞が永六輔、作曲が中村八大の有名な曲なので、きっと誰でも知っているのだろうが、この歌を知った時、僕はそんなことを気にしたことは当然なかった。

しらない町に行くと誰かの歌声でこの歌を思い出す。
CDなどで聴いたわけでなく、ただ学校で歌ったり聴いたりしただけの歌なので、歌声は誰のなのか分からない。
僕は駅をおりてしばらく頭の中で繰り返し繰り返し再生していた。
フレッシュネスバーガーに入って、クラシックバーガーとコーヒを取り、古本屋を覗いたり、今住んでいる場所と同じチェーン店を見つけては喜んだりした。

記憶の中ではこの町に住んでいる知人は誰もいない。
誰かにばったり会うことも無く、誰も僕がこの町にいることも知らない。
僕の顔を絶対に知らない人にまぎれて、自分の知らない街を歩き、お互いさまな存在同士で牽制し合う。

足が棒になったらこのゲームはおしまい。
僕は余力を以て駅にたどり着き切符を買い、
電車で寝て帰った。
by trash-b | 2006-12-28 23:25 | 趣味